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私の結婚式前夜
第6章 ひとつに……
「ううっ……」

 お兄ちゃんの熱いモノが《私》を押す。にゅっとお兄ちゃんのモノが私の中に入って来る。私を開きながら……。

 私の中が広がってゆく。

 胸の鼓動が速くなる。

「ったああああ……」

 ゆっくりとお兄ちゃんが入って来る。お腹の中の空気が押されて息ができない。私は金魚のように口をパクパクさせて空気を探す。

「んんんんん……ああっ……」

 プチュ……。

「夏芽……? 分かる?」

 うん、分かる、お兄ちゃんの……分かるよ、お兄ちゃん。

 お兄ちゃんの息が荒い。ポタポタと汗が滴り落ちる。

 んんんん……、ああっ……。

「夏芽、痛くないか?」

 私が顔を左右に振ると、お兄ちゃんの唇が重なった。お兄ちゃんと舌を絡める。

「夏芽、動いていい?」

 汗で乱れた私の髪を手櫛で耳に掛けてくれる。

 涙と汗で、お兄ちゃんがよく見えない。

 私はウンウンとうなずくとお兄ちゃんの肩に手を掛けて掴まった。

「痛かったら、言えよ。我慢せずに……痛いって……」

 お兄ちゃんの腰がグンと前に出た。

 グッとお腹に入ってくる。お兄ちゃんの熱いモノが……。

 入ってくる。

 私の中を掻き分ける。グッグッと……。

 お兄ちゃん……。

 お兄ちゃん……。

 お兄ちゃんの身体が私に当たる。

 感じてる。私の中に……。お兄ちゃんの心臓の音。


「んう…………あっ……」

 お兄ちゃんがまた戻って、またゆっくりと入ってくる。ゆっくりと、ゆっくりと壊れ物を扱うように……。

 んん、ん、ああ……いやん……お兄ちゃん……。

 私たちの汗でくちゃくちゃにちゃという音と、

 ベッドがグラグラと揺れる音、

 そしてお兄ちゃんの荒い呼吸の音、

 パンパンと二人の身体がぶつかる音……。

 お兄ちゃんの動きが速くなる。ギシギシとクッションの硬いベッドが私たちを揺らす。

「ああ、お兄ちゃん、お兄ちゃん……」と叫んでお兄ちゃんの首にしがみつく。しがみついて、お兄ちゃんと唇を重ねた。

 私の身体にぶつかる度、ぴしゃぴしゃと飛沫が飛ぶ。

「ああ……出る」

 私はお兄ちゃん腰に脚を回す。

 グググ……。お兄ちゃんが私の中で波打つ。

 お兄ちゃんの動きがゆっくりと止まった。
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