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大好きだから...
第9章 お前を守るよ



『警視庁の橋本です。
突然のお電話申し訳ございません。
念の為 身分証明書お願いします。』


朱里はずっと立ち尽くしていた。
動かない。
俺は朱里のバッグから免許証を出して
橋本さんに渡した。

『確かに。ありがとうございます。』

「いえ、あの本当に須藤真純なんでしょうか?」


朱里が話さないから
代わりに俺が聞いてみる。

「あ、申し遅れました。
先程電話で話した婚約者の結城正人です。」

『結城さんですか。
残念ですが間違いありません。
近くのスーパーに買い物に行かれていた
帰りだったみたいで…
所持品の中に免許証がありまして。
それにご連絡したのはお財布の中に
名刺がありました。
同じ姓だったのでお電話したのですが…』

「名刺…?」

『はい。こちらに所持品があります。
あと、ご遺体を一応確認して頂きたいのですが…
損傷が激しいのでそれなりの覚悟をお願いします。』


損傷が激しい?
朱里には見させられねぇな。


「それは朱里が見ないといけませんか?」

『ご家族にご確認お願いします。』


大丈夫か?
多分倒れるだろうな。
この状況で冷静では居られねぇだろ。


「朱里、確認出来るか?
辞めとくか?お父さん来るまで待つか?」


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