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大好きだから...
第9章 お前を守るよ

「正人。お母さん冷たい、寒いって。
こんなに冷たくなっちゃってる。
温めてあげないと。」
え...こいつマジで言ってんのか。
遺体温めると腐敗がしちゃうから
むしろ冷やすくらいなのに。
「朱里。温めたらダメなんだって。
逆に冷やすくらいじゃねぇといけねぇんだよ。」
「は?こんなに冷たくなってんのに。
ただでさえ辛いんだよ?
まだ冷たくして辛くさせるの?」
「朱里。お前が隣にいるだけでいいと思う。
だからしばらく居てやれよ。」
「...お母さん寒いよね。
私が手握っててあげるから。」
うわっ。
こっちが辛くなってくる。
何で泣かないんだよ。
「朱里。無理すんな。
お前もちょっとは横になれよ。」
「うん。ありがとう。
私今日ここで寝るから。
あっ、正人どうするの?
私の部屋使う?」
「俺はどうにでもなるから。
心配いらねぇよ。」
「そう?」
「お前昼食ってから何も食ってねぇけど
腹減らねぇのか?
なんか買ってこようか?」
「私はいらないよ。
正人はお父さんとお兄ちゃんとなんか食べなよ。」
「そうする。けど明日からはちゃんと食えよ。」
「...うん。」
少し間を開けて返事をしてきた。

