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大好きだから...
第9章 お前を守るよ



それでも朱里はお母さんの隣に居続けた。

横になることもなく
ただ手を握ってすわっていた。


俺達は親戚の人達がやってきて
葬儀の準備をしていた。
朱里の様子も見ながら。


時間はあっという間で夜になり
朱里を風呂に誘導し
出てくるまで風呂場の前で待って
和室に行かせるとまた手を握って
動かなくなる。


「朱里、横になれって。
横になっても手は繋いで居られるから」

「ダメなの。お母さんの顔が見られない」

「お前がぶっ倒れたら意味ねぇんだって。
ちゃんと送り出すんだろ。無理するな」

「大丈夫だから!!!!!!」


朱里の大きな声にリビングに居た
お父さんとお兄さんも慌てた。

『朱里、父さんも俺も休んでる。
お前もちょっと寝とけ。』

お兄さんも朱里を説得するが
寝ない。眠くないの一点張り…
頑固なんだよな...


その日の夜も和室からの光で
ちょこちょこ起きたが朱里は
相変わらず起きていた。

そしてお通夜の日もずっと起きていて…

とうとうやってきた。
本当にお別れする時が…


朱里を喪服に着替えさせて軽く
化粧をさせた。
見てみれば目の下にクマが酷い。


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