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大好きだから...
第15章 守るために



重役のみんなの顔も少しひきつっている。
でもここまでするのも朱里のため。


「皆さんがこれらを見てどう思うか
私には分からないことです。
でも、これこの会社で起きている事です。
俺はこの会社が好きです。
営業部で働けている事にも感謝しています。
が、俺も一人の人間なんです。
男として婚約者一人守れないなんて
恥ずかしいですよね?
守りたいんです須藤を。
この状況が変わらない。
どうしようもないと言うのであれば
私はこの会社に居たくありません。
須藤と2人で退職させていただきます。」



ここまで言わなくてもよかったかもしれないが
ここまで言わないとどうにもならなかったかも。


すると会議室がノックされて
ある人がここにやってきた。




『失礼します』

『これはこれは美咲さん。』

『お久しぶりです。社長』

そんな挨拶をしたあと
父親である常務の前に行き

『パパ、急に呼び出してどうしたの?』
とバレていないと思っているのだろう。
余裕のある顔で父親に近づく。


そして常務はプリントアウトされた
あの紙の束を娘の脚元に投げつけた。


『私の顔に泥を塗りやがって!』



常務は怒り、娘を睨みつけている。



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