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第5章 小池と向き合う

「実は叔父に無理矢理婚約させられそうなんです。
私はどうしてもしたくなくて．．．
どうしたらいいですか？」

「院長がか？
小池、お前の気持ち次第だろ。
したくないならそう言えばいい。」

「正人さんなら分かりますよね？
叔父はかなり強引なんです。
だからこの会社との取引のときも
強引だったでしょう？」

「そうだな。
まあ、厳しい条件だったけど
それなりの契約になったから
会社的にはありがたい事だがな。」

「課長にはお話しますが
あの時の契約に違反してますよ。
金田医療機器の息子と婚約する代わりに
現金の授受と仕入れもしています。
それはこの会社との契約違反ですよね？」



こいつ、なんで俺にこんなこと漏らしてんの？
何か裏があるんだろうな。


「そうか。
まー、今回の金田さんとのことは
俺にはどうにも出来ない。
嫌なら嫌だとちゃんと伝えるしかねぇな。」

「だから、それを諦めて貰うために
私と婚約してるフリしてもらえませんか？」

は？こいつ何言ってんの？
向こうが御子息との婚約を求めてんのに
ただの会社員の俺が何にも出来ねぇよ。


「それは無理。俺はどっかの社長の息子でもねぇし
ただの会社員だからお前の叔父様は
見向きもしねぇよ。だから無駄だ。」


フリでもお前との婚約なんてごめんだよ。