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世話好きな書店
第3章 キス
「ちょっ……トイレ!」と、僕は朱里から離れた。

 時間がなかった。僕の中のモノを全て吐き出そうと僕の股間がぎゅうぎゅうとケイレンを始めている。

「そこ……です……トイレ……」

 あ然とした朱里がトイレの方を指差す。

「ああ、出るっ……」

 急いでベルトを外し、ジッパーを下げる。

《僕》を出した瞬間に便器の中に精を噴射した。びゅっ、びゃっと飛び散る音……。外の朱里に聞こえるのではないかと思うくらいに。

 まるで脳みそが溶けるようだ。気持ちいい。身体中に鳥肌が立つ。

 漂白剤のような臭い。

 ふう……。

 僕は最後の一滴まで絞り出そうと、《僕》を念入りに扱く。

「悠斗さん……?」

 僕の後ろから朱里の声が聞こえた。僕は青褪めた。
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