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マリコのマ●コ
第4章 マリコと加代子
僕が帰社した時、丁度妻が会社から出てきた。

「あら、ヒロシ君、今戻ったの?」

「ああ。もう帰宅?」

「友達に相談があるって飲みに誘われて…夕食は…」

「あ、いいよ。僕は勝手にやるから。ゆっくりしておいで。」

「ありがとう。」
妻は早足で会社を出て行った。

化粧が濃くなってる…
そういえば少し痩せたか?

もしかして佐原さんと会うのか?

後をつけて不倫の証拠を掴もうか?
でも会社に報告しなければならないし…

ああ、今日は無理か…


会社のドアを開け、階段を上っていくと、佐原さんが降りてきた。

「おっ、今の帰りかい?お疲れ。んじゃー、お先〜。」
急いでいるのか、立ち止まらずに佐原さんは会社から出て行った。

妻と逢瀬か…
今日なら確実に証拠を掴めるのに。
残念だ。

僕はため息をつき、重い足で階段を上った。


マリコとあまり話せなかったし、安藤とか言うイヤな女と仕事をしなければならなかったし、妻は先輩と逢瀬…
僕はまだ残業…

ちっとも楽しくない。

チッ!


そうだ…
マリコの所に行こう。

残業が終わった後なら、彼女も家に戻ってるだろうし…






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