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第1章 再会

「白いヤギ…それで覚えていたの。」

なんだ…てっきり僕に興味があって覚えていたのかと思っていたよ…

「僕は、伊井マリコはいいマ………あっ……ごめん…。」

「いいのよ。よくからかわれたから…」

「いや、でも…」

「八木君、私をかばってくれたから…名前で人をからかうのはよくないって。可哀想だよって。」

「そうだった？」
多分それは彼女のためじゃなくて、自分が白いヤギと言われるのが嫌で言った言葉だと思うのだが…

白いヤギと言われて何が嫌だったんだ？いいマ●コの方が何百倍も酷いよな…。それでもいつも明るかったよな。

「あ。そうだ。鈴木とかとみんなでよく飲むんだ。良かったら今度一緒にどうかな？時々伊井の話しが出るんだ。」

「え？私の？私のどんな話し？」

伊井マリコのいいマ●コはどんなだろう？とは言えない…

「ん…凄く綺麗でスタイルがよくて頭が良くて運動神経も良かったって。」

伊井マリコは足が早かったが、走るとおっぱいがゆさゆさ揺れてた…とか、水着姿で乳首が立っていたのが見えたとか…
こんな話しばかり…酷いよな…僕たちは…

「そんな事無いけど…男子は私を避けていたように思えて、寂しかったな。女子にもどこか距離を持たれていたけど…。」

「いや、避けていたんじゃなくて、近寄れなかったんだよ。周りの女子とは全然違ったから。大人っぽくて綺麗過ぎたから。女子も嫉妬していたんだと思うよ。あ、もし良かったら連絡先教えてくれる？飲み会の時誘うから。女子も誘うからさ。」

「う…うん。いいわよ。」
少し考えてからマリコは言った。

やったー！今日のノルマ達成だ！


僕は得意げな表情で会社に戻った。