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桜涙
第1章 出会い
「それでさ、私に声かけたのはなんか用があったからじゃないの??」
今更だけど、脱線した話を戻す。
「そうだった!!職員室ってどこか案内してほしくて。時間より早めに来たからウロウロしてたら場所分からなくて。」
基本、校庭側じゃねえの?って訪ねる彼の気持ちはすごく分かる。うちの校舎の作りは増築の校舎もあって、校庭を削って、そこにまた新たな校舎を造ったために職員室は第2棟の位置になってしまったのだ。
「それでも校庭こんだけ広いってすごいよな…」
「まぁね…それより、早く職員室行かないとでしょ?案内するから着いてきて。」
そう言って足早に職員室がある2棟の玄関まで彼をつれていき、ローファーを脱いで案内する。
「ここが職員室ね、先生呼ぶから待ってて?」
中にいる担当らしき先生を呼んでみると、どうやら両親は既に応接室にいるらしくて大遅刻扱い。
それでも転校生というだけあって、まだ優しい対応を心がける先生も私と同じく、校舎の作りが微妙だよねって話してた。
「ふぅ、ほんと助かったわ。サンキューな、美郷ちゃん。」
「いいえ、そんな大した…」
「クラス一緒だったらいいな。」
刹那、何か暖かく感じるこれは…
なに?
「んじゃあな!」
「あ、うん。」
肩をポンッと叩いて行ってしまった彼。
あぁ…何でだろう。何でこんな優しくて
眩しすぎる気持ちでいっぱいになるのか…
案内しただけなのに。
どうして笑顔を向けてくれるのだろう。
それは私がどれだけ歪んで、くすんでいるのか。穢れているのか。知らされるようで。
対称的過ぎて胸が痛くなった。

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