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第7章 めじけ 章7第
「失礼なことして…すみませんでした」
素直に謝ると、うーん…となごみが唸る。
「好きな人…いるってことですよね」
「……まぁ…そう……ですかね」
この前、ずぶ濡れで俺のところに来た桜。
その苦しそうな姿に胸が苦しくなって、頼られたことに胸が弾んで……
溢れ出た自分の感情に、俺自身が一番驚いた。
2年も溜め込んでたものは自覚していたもの以上に大きい。
そんなことに今さら気付いた。
とにかく、こんな状態で会うのはなごみに悪いと、そう思ったから、こうやって日中に会ってそれを伝えようとしているのだ。
「ねぇ……もしかしてなんですけど」
「……はい…」
「あの、店で働いている若い女の子?」
「──────…」
あまりに容易く見破られて、目を見開いていると、なごみはやっぱり、と言葉を漏らした。