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第7章 めじけ 章7第



相変わらずのガキみたいな顔。


それを誤摩化すように、ヒゲを生やしてんだろうけど、全然効果がない。



まぁ、無いよりはマシだろうから、効果がないとは言えねぇか……。



久々の兄貴の姿を見てそんな事を思いながら、俺は体を脱力させた。




「よ!」



「……久々だな」




俺の前のカウンターの席に腰掛けた兄貴にそういうと、兄貴はニコニコと笑った。



昔から、こいつは本当にお気楽だ。



俺の方が兄貴なんじゃないかって思うことが多い。




「そうだな、近すぎて、逆に顔出す気にならないわ」



兄貴は、幸の店「radice」でボーイをしている。


元々幸と俺が知り合ったのも、兄貴の繋がりだ。




「別に心配してないわけじゃないぜ? 幸ママはよく来るだろ? だからお前の話はよく聞くし」





突然の兄貴面。


しかも、お前の話はよく聞くって、めちゃくちゃ余計なことを幸が言ってそうで、気が気じゃねぇんだが……




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