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第7章 めじけ 章7第
チラと横目で桜を見たら、グラスに氷を入れていた。
若干その手つきがおぼつかないのを見て、聞き耳を立てているのが分かる。
「なんで俺がお前に心配されなきゃいけねぇんだよ」
そう言いながら兄貴に視線を戻すと、軽く目を見開いて俺の事を見ていた。
「なんでって、お前、血を分けた兄弟なんだから心配くらい───」
「えっ……」
兄貴の言葉を遮るようにして、桜が声を上げる。
「………どうも」
「あっ……すみません……」
兄貴はそれに驚きながらも、桜に微笑むと、桜はすかさず謝った。
なんか……兄貴と桜が話してるなんて、気持ち悪りぃ。
「初めまして、村田 拓也(むらた たくや)です」
自己紹介をし出した兄貴に、桜は、はあ……と気の抜けた返事をしている。
何となく、居ても立っても居られずに、タバコを掴んだ。