この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
bloʇbnilᙠ
第7章 めじけ 章7第
閉店間際、ギリギリまで飲んでいった兄貴は、多めに金を払って帰っていった。
「ありがとうございましたー」
そう言って頭を下げる桜。
そして、俺を見上げた桜は、何か言いたそうな表情を見せていた。
「なんだよ」
「いや……」
思わせぶりな桜の態度に、首を捻る。
「………最近は…大丈夫なのか」
何が、とは聞かない。
敢えて回りくどく尋ねたら、桜は、コクっと頷いた。
「そう…か」
良かった……
そして、作業を終えたあと、帰ろうとした桜は、再びチラと俺の事を見た。
きっと何か言いたいんだろうが、それを言葉に出来ずにいる。
別に自分のタイミングで言えばいいと思っているから、強引に聞き出すことはしない。
すると、桜はお疲れ様でした、と言ってそのまま帰っていった。