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第7章 めじけ 章7第


閉店間際、ギリギリまで飲んでいった兄貴は、多めに金を払って帰っていった。



「ありがとうございましたー」



そう言って頭を下げる桜。


そして、俺を見上げた桜は、何か言いたそうな表情を見せていた。





「なんだよ」


「いや……」




思わせぶりな桜の態度に、首を捻る。




「………最近は…大丈夫なのか」




何が、とは聞かない。


敢えて回りくどく尋ねたら、桜は、コクっと頷いた。




「そう…か」




良かった……






そして、作業を終えたあと、帰ろうとした桜は、再びチラと俺の事を見た。



きっと何か言いたいんだろうが、それを言葉に出来ずにいる。



別に自分のタイミングで言えばいいと思っているから、強引に聞き出すことはしない。



すると、桜はお疲れ様でした、と言ってそのまま帰っていった。




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