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第8章 物本 第9第



自分の店。



相変わらず具合が悪くなっているのに気付かないフリをして、無心で作業する。



きついとか、ちょっとでも考えたらそのままぶっ倒れそうだ。



桜もいねぇし、全部自分でやんなきゃならないから、倒れる訳にもいかない。



ふと回りを見渡すと、お客はすでにまばらになっていた。




最後の客がいなくなったら、時間前でも今日は閉めるか…。




つっても、10分早まるくらいの話だろうけど、今は10分でも早く寝れんならそれでいい。




少しでも早めに閉められるように、俺は誰もいなくなったカウンターを拭いていた。




すると、カラン──と扉の鈴がなって、肩を落とした。




いや、客が来て肩を落とすとか、接客業で絶対あっちゃならないことだろうけど、今日ばかりはマジで勘弁だ…。







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