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第8章 物本 第9第
「ん…あぁ、いや…ちょっと疲れが出ただけだ」
ていうか、俺のことなんてどうでもいい。
「そんなことより……お前こそ、連勤後の貴重な休みなんだから、家に帰ってしっかり……」
「いや……ここに来たくて来たんです」
言葉を遮られて、俺は顔を上げた。
来たくて来たっていうのは…
桜は、だから…と言葉を続けて俺のことを見つめた。
今まで見た事もない桜の表情に、俺は息を飲んだ。
ぜってぇなんかあった。
でも、まだ客がいる。
今すぐにでも聞き出したい気持ちを抑えて、俺は、「ならいいけどよ」と答えて桜の頭に手を乗せた。
大丈夫だ。
ちゃんと聞いてやる。
……やっぱ休まなくて正解だったわ。
「しめるの、手伝います」
「いや、いーよ」
そこに座っとけと言おうとしたら、桜は急いで奥まで行ってしまった。