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第8章 物本 第9第
ニコニコと笑っている桜を見て、俺は奥歯を噛み締めた。
「…………もう分かった」
耐えられそうもない。
どんだけ笑って欲しいと思っても
どんだけ元気になって欲しいと願っても
こいつはいつまで経っても、苦しんでる。
「………すごいでしょ…?かずにぃのことも……お姉ちゃんのことも…」
見たい笑顔は、これじゃない。
このままじゃ…意味がねぇ。
桜
目を
覚ましてくれ。
「願い続けたことが一気に今日起こって───」
ぷつん───と俺の頭の中で何かが切れた。
そして恍惚の中で、俺は桜の頰を両手で掴む。
このままだったら、こいつは、一生苦しむ。
だったら。
お願いだから
気付け────