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bloʇbnilᙠ
第10章 体正 章11第
何も、いいことなんかねぇ…
「……泣きもしないで、無理矢理笑顔を見せながら淡々と語るお前を見てたら……」
昨夜のことを思い出しながら、俺は言い訳のように言葉を並べた。
見てたら……なんだ?
“自分の気持ちを抑えらんなかった”
そんなこと言っても桜をまた困らせるんだから、言えるわけねぇのに。
馬鹿らしくなって、俺は桜から視線を外した。
俺の気持ちなんて、俺の都合でしかない。
一番辛いのは桜だ。
和明との仲が進展したと…そう思った矢先、目覚めると思っていなかった姉貴が目覚めて…。
混乱していたのに、俺は救ってやることも出来ずにさらに桜を混乱させた。
「本当に…悪かったっ…」
今の俺は…
ひたすらに謝ることしか出来ない。