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第10章 体正 章11第
手を少しずらして、ゆっくりと息を吐いた。
「困ったら俺のところに来いとか言ったくせに…。逆に戸惑わせて本当に悪かった」
再び、沈黙が続いた。
考え込んでいる。
このまま元に戻れるなんて、そんな都合のいい事は考えてない。
でも……桜をどうしても繋ぎ止めたい。
そんな資格、俺にはないって事は重々承知してる。
分かってはいるけど……どうしてももう一度、相談相手というポジションに戻る、チャンスが欲しい。
固唾を飲んで桜の様子を伺う。
すると、桜はゆっくりと、頷いた。
「……良かった…」
許す事を示すその仕草に、安堵から俺は言葉を漏らす。
そして、足りなくなった酸素を補うように俺は深く息を吸った。
もうあんなヘマはしない。
何があっても…だ。