この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
bloʇbnilᙠ
第10章 体正 章11第
「……私ばっかり話してるから」
…………は?
「そんなつもりねぇけど?」
「そうじゃないですかっ…」
顔を上げた桜。
その表情は不満でいっぱいだった。
何をそんな不機嫌になってんだ、こいつ……
「今週だって、そんな辛い日々送ってるって私全く聞いてなかったですし。」
「………………」
「何でそんなに隠すんですかっ…」
幸が、余計なことを言ったのは明らかだった。
何をどう話したんだか。
きっと大袈裟に伝わってる。
じゃなきゃこんな風に桜が言ってくる訳がねぇ。
「俺のこと、知りたいのか?」
今さらそんなこと思う訳ねぇよな。
半分からかうつもりでそう尋ねると、桜はムッと口を引き結んで俺を見つめた。
“知りたい”
そんな桜の顔に俺は目を見開く。
「────…っ」
待て……なんでこんな顔してんだこいつ。
不意を突かれて俺は必死に胸の高鳴りを抑えようと黙った。