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第10章 体正 章11第

「お前にいつでも来いって言った手前、店、閉めるわけには行かないだろ」



まぁ、結局訳分かんねぇことして、しかも病院に運ばれてるけど……な。



やっぱ……


考えれば考えるほど情けねぇ男だな…俺。




「そんなこと気にしなくていいですよ」


「そういうわけにいかねぇよ」




気にしないなんて事、俺には出来ない。



何をしてたって、



考えねぇようにしてたって




結局桜が今大丈夫か、



そんな事ばかり考えている。





「いってきます」




カバンを持ち上げた桜は扉の方へ向かう。



「おぅ。頼んだ」



行ってしまう…



少し切なくて、不安が過った。


が……



「また、明日来ますんで」




桜はそう言ってぺこりと頭を下げると、そのまま顔を上げずに病室を出て行った。




「………良かった」



扉が閉まったのを確認して、俺はそう言葉を発した。



明日も来る…



今の俺には、そんな些細な言葉だけでも救いだった。



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