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第2章 面接



「なっ、なんだよ突然」



驚いて見下ろす。


すると、桜は微かに身体を震わせながら涙目で俺のことを見上げた。



「あっ…あのっ…!」


「っ……」



不覚にもその表情に胸がドキっ…と鳴って、そんな自分に驚いていると、桜は泣きそうな声で「ゴっ…ゴっ…」とどもった。




「ゴ…?」



「ゴキっ……」



「あ〜……」




なるほど、ね。


まぁいくら清潔にしてたって飲食店だったら免れない。


ようやく言いたいことを把握した俺は、タバコを灰皿に置いた。




「そんな事で大声出すなよ…」



「だっ、だってっ…」




グググと俺の腕を強く掴んだ桜は未だに泣きそうになりながら、声を振り絞っている。



そんな桜の様子に、思わずフッと笑って、「どこだ」と尋ねた。




「な…流しのっ…床の……っ」



「はいはい」




辺りを見回して、適当に叩き潰せそうなものを見繕った俺は、言われた場所に向かった。


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