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第11章 風 章21第
「は、はい」
振り返った桜は何故か俺にびっくりしたようにして後ずさる。
警戒されてることに傷付きながらも、切りそろえられた前髪を見て、小さくトクン…と胸が鳴った。
「昨日は、ありがとな」
「ああ……全然…」
そう言って、また少し俯いた桜のつむじを眺める。
看板出すのを頼んだだけとはいえ、桜がいて助かった。
こいつに頼ることなんて、考えられねぇと思ってたけど意外と頼りがいがあるかもしれない。
というか
もしかしたら俺はこいつの事を過剰に心配しすぎ…か?
そんな事を考えていたら、桜の顔が再び紅くなりだして俺は瞬きをした。
「おい、大丈夫か?」
「えっ…あ…」
「なんか、顔紅いけど……」
さっきは髪のことで照れてたんだろうけど、今は照れるようなこと何もねぇよな…?