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第11章 風 章21第


気まずい。


話し掛けるタイミングも分からねぇし、もう大丈夫だから帰っていいぞと言おうとしても、やはりそれは惜しくて言い出せない。



困り果てていると、桜が髪を靡かせてクルリと振り返った。




「いい天気ですし…散歩しましょう」



「……別にいいけど」




ん……俺といるのは、別に嫌って訳じゃねぇってことか?


にしても散歩って……。



しかも、提案してきたくせに、桜はものすごい速さで進んでいく。




「なんか、お前急いでる?」




歩調を合わせて桜の隣にいくと、桜はハッとしたように顔を上げて、「すみません」と謝って来た。



いや……まぁいいんだけど。



何か、桜が掴めねぇ。



相変わらず表情はバレバレだけど、どうしてそんな表情をしてんのかが、よく分からねぇ…


しかも……



「………………」




………さっきから、俺の横顔を…めちゃくちゃ見てる気が…する。



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