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第11章 風 章21第




「タバコすいてぇ…」



落ち着かなくて、そんな事を言うと、桜はムッとした表情を見せた。



「明日退院なんでしょ。あと少しなんだからそれくらい禁煙してください」


「わーかってるよ」




頭を掻きながら、んん…と唸る。




だったらそんな見んなよって言ったら

自惚れてるみたいになる……よな。



そんな事を思っていると、しばらくして、桜が緩く微笑んで話し掛けてきた。





「もう元気そうですね」


「おぅ。そんな柔じゃねーからな、俺も」




と言いながらも、さすがに今回の俺はポンコツだった自覚がある。


あんまり自分の力を過信しすぎねぇ方がいいって事だな。


じゃなきゃまた醜態を晒すはめになる。





「幸さん…」



突然、それだけをぽつりと呟いた桜に幸?と聞き返した。



「ア……」





………?


自分で言い出したくせに何故か自分で驚いてる桜の表情に首を傾げる。

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