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第11章 風 章21第



「っ……ちょっと!」




いつも通りの反応。



それに安心したのと、桜が短い髪に胸がくすぐられて、俺は思わず笑った。




「やめてくださいよっ…!折角美容院行ったのに!」



「だって、すんげぇ顔してるから」



「してないですっ!ホント失礼!」




威勢が良くなった桜を見て、さらに俺は笑う。


桜はそんな俺を見てキッと睨んできた。





「そんな睨むな」



「睨んでない!」




睨んだって完全に上目遣いにしかなってなくて、迫力も何もあったもんじゃねぇ。



ムキになっている桜は、俺を無意識に煽っていることに気付いてない。



引き寄せたくなって、俺は気を紛らわせるために傍にあったベンチに腰掛ける。





そして、胸ポケットからタバコを取り出した。






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