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第11章 風 章21第



俺は和明に掴み掛かって、そのヘラヘラしている顔を殴り飛ばした。




「ふざけんじゃねぇよ!!」



怒りで


頭が上手く回らない。



地面に転がった和明に、桜が駆け寄っている。






「何が『桜をどうぞよろしく』だ!!! 桜の気持ちも考えないで、好き勝手しやがって!!!!」




ふざけやがってっ……


俺がどんなに桜を心配して守ってやろうとしても、こいつのせいでっ…



そう思ったらまた怒りが止めどなく溢れる。





「俺はな、てめぇみたいに鈍感でヘラヘラした男が一番嫌いなんだよ!!!」




「なっ……」





一発殴るだけでは到底収まらない。



怒鳴る俺に驚いて見上げている和明の胸ぐらを、俺はもう一度掴んだ。




「愛する妻も裏切って、一途に想いを寄せてた桜までめちゃめちゃにして…」





腹が立ちすぎて、



言いたいことが多すぎて、



息をするのも苦しい。




でも、こんな苦しみ…桜の苦しみに比べたらっ……



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