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第12章 みぼつ 章31第


───────────…



久々の開店。



常に客が溢れているのにも関わらず、ひっきりなしに扉が開く。




「いらっしゃい」




そう声を掛けて、俺は手の甲で汗を拭った。



病み上がりに容赦ねぇんだけど…。



そんな事を思うが、そんなの客は知ったこっちゃない。



というか、盛況なのは喜ぶべきこと、だ。




俺と同じようにせかせかと店内を歩いている桜を呼び止めて、酒を運ぶように言う。



「分かりました!」と返事をした桜にグラスを差し出すと、微かに手が触れて桜はそれを拒否するように手を引っ込めた。



ま……じか……


仕事中までそれは勘弁してくれ…




「………おい、早く運べ」


「………すみません」




改めて、グラスを差し出すと、桜はハッとしてそのグラスを掴んで奥へと消えていった。



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