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第12章 みぼつ 章31第
「桜の知り合い?」
コースターを置きながら、そう尋ねると、その男は顔を上げて、あーはい、と好青年らしくハキハキと答えた。
「幼馴染です」
お…さななじみ…って……
「あぁ…」
前に桜が言っていた男のことを思い出してトクンと胸が鳴る。
名前は確か……
「……い、いつきです」
丁度桜がそう言ったのを聞いて、やっぱりな、と納得した。
和明との関係に耐えられず、桜が寂しさを埋めるために寝てた男…だ。
て、ことは、こいつは桜のことが好きってことで……
……想像してた男と全然ちげぇな。
「いつも桜がお世話になってます」
「………そんな保護者面しなくていいんだけど」
桜の言葉を聞いて、樹はハハハと笑う。
勝手に想像していた男よりも、ずっとしっかりした奴だった事に動揺した。
そして、何とか平静を装って樹から酒を聞き、二人から少し離れた。