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第12章 みぼつ 章31第
閉店後
俺は疲れたーと叫んでソファーに腰掛けた。
そして天井を仰ぐ。
「たくさん来ましたねぇ……」
桜がそんなことをしみじみという。
本当に
今日の客の量は尋常じゃなかった。
「……結構この店、愛されてるんですね」
「急に閉めたこと、何回謝ったか分かんねぇわ」
そう言いながら、俺は上体を起こす。
「もう倒れらんねぇな」
凝りをほぐすように腕を回しながら、カウンターに腰掛ける桜を眺める。
テーブルの上で何かをしている。
それが気になって、俺は立ち上がるとカウンターの中に入って桜の前に立った。
先ほど樹が座っていた席。
そこに残った水滴に指を滑らせて桜は何かを描いていた。