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第13章 葉言花 章51第
チラと時計を見る。
出勤してくるには早い。
また何かあったのか…
心配になっていると、桜は幸に視線を移して、「幸さん…」と力なく呟いた。
「あら、桜ちゃん」
少しわざとらしく大袈裟に笑った幸に俺は軽く首を傾げる。
まぁいい。
とにかく落ち着きたくて、俺は先ほど離したタバコの箱から一本取り出した。
「……随分早いな」
「はい……」
タバコに火を付けながら、桜の表情を伺う。
何か言いたそうで、でも何故か戸惑っている。
幸がいるからだろうか。
そんな予想をしていると桜はハッとして少し俯いた。
「……今日も、混むだろうし…。だから早めに仕込み、手伝おうかなって…」
………バリバリ嘘…だな。
それは分かったけど幸がいる手前きけねぇし……
「……サンキュ」
明らかに何か考え込んだ様子で裏に入っていく桜を眺めながら、俺はそう声を掛けた。