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第13章 葉言花 章51第
なんであんなところで突っ立ってんだあいつ…
今にも泣きそうな、そんな顔を見て、俺は思わず桜の元に向かった。
「桜…?」
声を掛けると、桜はやはりよそよそしい態度で目を泳がせた。
「わっ、私…椅子、下ろしますねっ…」
「……おい待て」
逃げるようにフロアの方に行こうとする桜を呼び止める。
「なんかあったんだろ」
話せよ。
何でそんな顔してんのか教えてくれ。
一度は心を開いただろ……。
なのに
なんでまた何も話さなくなったんだ。
その理由がどうしても分からないまま俺はジッと桜を見つめた。
ユラユラとした瞳。
どうしたらいいんだろうと、戸惑っているのが分かる。
「なんもっ……」
「ホントか?なんか聞いて欲しくてこんな早くに来たんじゃないのか?」
ぶちまけたければ、ぶちまければいい。
どんな話でも、聞いてやるって…俺はそう言ったはずだ。