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第13章 葉言花 章51第
百歩譲って…いや、千歩…いや一万歩…
………とにかくかなり譲ったとして、だ。
「だったらなんで俺の事避けんだよっ……」
好きだったら、もっとなんかこう……
いや、よく分かんねぇけどっ…
「うーん……それは達也がよく分かってんじゃないの?」
「は?」
「相手が、まさか自分の事好きだなんて思ってないから……傷付きたくなくて突っぱねてるのね、きっと」
「意味分かんねぇっ…もっと分かりやすく言えってっ…!」
「じゃあ聞くけど、『お前は従業員なんだから幸せを願うのは当たり前』ってどういう意味?」
「どういう意味ってっ……」
─────────どういう意味?
樹のこと言った時、桜にも同じことを言われたのを思い出す。
「“お前は俺にとってただの従業員だ” とか、“他の奴と幸せになれ” って言ってるように聞こえるんだけど?」
「──────っ……」
「本当は桜ちゃんの事好きで好きで仕方なくて、自分が幸せにしたいって思ってるくせに。違う?」
「っ…そ…れは…」
「何」
答えに困った。
でも、それは全然違う……だろ。
俺は純粋に…桜の幸せを願って……
「……────」
ふと、桜が樹に軽く微笑んでいたあの光景がまた頭に浮かんだ。