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第3章 し隠目 章1第


ムッとした後考え込んだ桜は、意味有り気に、フッと笑う。


そして思い詰めたような…そんな顔をする。




「……なに笑ってんだよ」




そして、身体を起こした桜はため息をつきながら、髪を括っていたヘアゴムを外した。


雇った時は短かった髪は、大分長くなっている。


別に今だって似合ってはいるけど…


正直…前の方が俺は似合ってたと思う。



まぁ俺の好みなんて本当にどうでもいいことだろうし、口が裂けてもそんなこと言わねぇけど。



「笑うのくらい自由でしょ」



そりゃそうだ。


でも、こいつは今楽しくて笑ったんじゃない。それは分かったけれど問いつめることはしなかった。



そしてそんな事を思っている間に、桜のスマホが音を立てた。



スマホを取り出した桜は、画面を見たまま固まっている。



「仕事中だろ…」



そういうが、まるで俺の声なんか耳に入っていない様子で画面を見続けている。



どうせ客もいないから、それ以上は言わなかったが、浮かない表情をしている桜を見て、モヤモヤが募った。


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