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第15章 いならいはし隠目 章71第


全く中に入る素振りを見せない桜をジッと見つめる。




……も し や


さっきの煽りも全部無意識だったってことを考えると、本当はまだそこまでの覚悟がないってことも、有り得るのか…?


いや……
だとしたらタチ悪すぎる…ぞ…



でもこいつのことだから有り得そうで怖い。


ならハッキリ言っておいた方が……。



「安心しろって言いたいところだけど」


「…………」


「確実にお前のこと襲うから、そうは言えねぇし、入るか入んねぇかは自分で決めろ」



俺の言葉に、桜は再びビクッと体を震わせている。




出来た男なら、
『お前にその覚悟が出来るまで待つ』とか何とか言うんだろうが…


まず俺は出来た男でも何でもねぇし、すでに2年も待ってるから限界もとうに超えてる。





「襲うって…っ」





いや
この期に及んで聞いてやってるだけありがたいと思えよ…。



ていうか、



「カウンターは回避してやっただろ」




すでにお預け食らってるんだが……




「っ……最低」





顔を紅くしてる桜の真意を探る。



この様子と表情からして…

口ではとやかく言ってっけど、恥ずかしいだけで嫌じゃなさそう…だ。




……もういいから入りゃいいのに。





「何してんだよ」




未だに部屋に入らない桜に再び声を掛ける。




「だって、店長が変なこと言うからっ…」



「お前なぁ……」



素直じゃない桜に思わずため息が洩れた。





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