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bloʇbnilᙠ
第16章 bloʇbnilᙠ 章81第
─────────…
radiceでの疲れを癒すように、俺は店の前の花壇を見つめた。
昼間の温かさがまだ微かに残る。
ようやく花を咲かせたリナリアを見ながら、俺はホッと息をつくようにタバコの煙を吐いた。
「店長!」
不意に背後から明るい声が聞こえて、振り返る。
短い髪が揺れる。
幸せそうな、そんな笑顔を見て俺も思わず微笑んだ。
「おぅ。桜」
「準備、しないんですか?」
「あぁ、そろそろ中入るか」
再びタバコの煙を吐く。
今日もきっと客が多く来る。
気合いを入れるように伸びをしようとしたら、「桜!」と男の声がして振り返った。