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bloʇbnilᙠ
第16章 bloʇbnilᙠ 章81第
何故か押し黙った桜は俯く。
すると、北野が桜の腕を掴んで、自分の方へと引っ張った。
「っ………………」
こいつっ……調子乗りやがってっ……
タバコを咥えながらチッと舌を打っていると、北野は桜の耳元で何か囁いた。
何を言われたんだか、桜は軽く目を見開いたあと、北野の事を見つめている。
「私はダメなんじゃないのっ…」
「あの時はね。でも、今はいい感じ」
「……………」
何の話だか知らねぇし、
過去のことなのかもしんねぇけど
やっぱ面白くねぇもんは面白くねぇ──────
「お客さん」
堪えた嫉妬も結局堪えきれず、俺は桜の腕を掴んでいる北野の腕を掴んだ。
チラと、俺に視線を向けたその男は、微かに口角を上げる。
「あれ?今は勤務中じゃないですよね?」
余裕そうにそう言い切ったそいつに俺は大袈裟に笑みを向ける。
あの時みてぇに俺が引き下がると思ったら大間違いだ。