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bloʇbnilᙠ
第16章 bloʇbnilᙠ 章81第
「……そうですね、でも──」
そう言いながら、桜の腕を引っ張って自分の方に引き寄せる。
すると、桜はわっ…!と声を上げながら俺の胸に手を付いた。
まぁ…こいつが無防備なのにも問題があるが…
それは今後注意していくとして…
そう思いながら、俺は桜の頭を掴む。
「もう…こいつは俺の女なんで。勤務中じゃなくてもちょっかい出さないでもらえますか」
わざと俺は満面の笑みを北野に向ける。
あの時は、ちょっかい出すなと、目で言う事しか出来なかったが、今は声に出して言える。
立場が違ぇんだよ、立場が。
「へぇ……」
相も変わらず、気味悪く微笑んだ北野は桜に視線を移す。
「やっぱ彼氏だったんじゃん」
「………いや…」
やっぱ?
つーか、桜も“いや”ってなんだよっ……
言っている意味が分からずに顔をしかめていると、北野がぽつりと、いいね…と言った。
そして、また、ニタリと笑う。
「……どーも」
素っ気なく言葉を返した桜に、北野がいやいや、と言葉を続けた。
「そういうことじゃなくてさ」
そういうこと?
「俺、人の女の方が燃えるからさ」
はあ!?!?
言っている意味が分からず、俺は自分のタバコにむせた。