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第19章 満不のへ人恋 章22第
店は、お蔭様で最近忙しい。
前は俺だけで回す事も普通だったくらいだが、最近は客も多くてそれも中々きつくなってきた。
桜も、それなりにシフトに入ってくれてはいるが、このまま2人だけってのは無理がある。
それに、ここにいる時、寝てばっかいる桜を見るに、日々相当疲れてんだろう。
だから、少し前から追加のバイトの募集の広告を出した。
そして今日は、その面接が10時からあるのだ。
「店長は……飲まないの?」
身支度をしていると、桜に声を掛けられた。
「あぁ、いい」
面接始まる前に、店先の花の様子も見てぇし、家出る前にタバコ吸いてぇし…。そう考えると意外と時間がない。
少しだけ、動作を早める。
そして、出る支度を一通り終わらせて桜が座っているテーブルに戻ると、桜はマグカップを両手で握ったままゆっくりとした瞬きをしていた。
人の気も知らねぇでぐっすり眠ってたくせに、まだ眠そうだ。
「俺、店行ってくるから」
テーブルに置いてあったタバコを掴みながら、そういうと、桜はハッとして、そうなんですか?と答えた。
ああ、と返事をしてタバコに火を付けていると、桜はその動作をじぃっと見ていた。
こいつって……なんかに似てんだよな…。
気ままで、かつ気取りや。
懐いてんだか懐いてないんだかよく分からなくて、そんで、良く寝てて……
………あれだなネコだ。ネコ。
「昼には戻るけど……お前、ずっとここにいる?」
そんで俺は、上手くしつけが出来ない飼い主…ってところだろうか。