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第19章 満不のへ人恋 章22第



差し出された履歴書を、テーブルの上で滑らせて、自分の方に引き寄せる。


灰が落ちそうになって、咥えていたタバコを灰皿の上に乗せた。


二年前、桜の面接をしたときの事を思い出す。


でも、違うのは……



「大学生…か……」


「あ、はいッ…!」



桜よりも、さらに最近の生年月日を見て、目を細める。

年齢にしたらまだ20歳。わっけぇ……若すぎだ……。


俺の反応を見て、目の前の女は少し慌てている。


小柄で胸までの茶髪はパーマをあてているのか、ウェーブしている。緊張しているのか、何度も瞬きをしながら、俺の事を見ている。




「でもっ…! もう3年になるのでそんなに授業なくて……だ、だ、だからシフトなら結構出せると思います!」


「……ほぉ…」




健気に頑張っているが、小学生か中学生くらいにしか見えない。


それは体が小さいからか、顔立ちが幼いからなのか、はたまたどちらもなのかはよく分からない。


とにかく言えるのは、桜とは明らかにタイプの違うやつだ、という事だ。



学生で、しかも今大学3年という事は、まぁ約2年くらいしか働かないってこと…か。微妙だな。雰囲気は悪くねぇけど。



「…志望動機は……?」



質問をしながら、再び過去に思いを馳せる。



───────店名が…今の自分に……あってるかなって…



忘れたくても忘れられねぇあの日の事。


若々しさもない、覇気もない、そんな状態で無表情にそう答えた桜を、よくもまぁ採ったものだ。




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