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第19章 満不のへ人恋 章22第
「なんでだよっ……」
思わず心の声が実際の声になって漏れる。
ベッドの前まで行って、スヤスヤと眠る桜を見つめる。
どんだけ寝るんだこいつっ……
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ…」
額に片手を当てて、どうにもならないその状況を見つめていると、何やら桜が握っているのが見えて目をこらした。
大事そうにギュッとしがみついているその布の模様には、見覚えがある。
そして、それが俺が朝着ていた部屋着だと分かった瞬間、ドクドクと血の巡りが良くなるのを感じた。
………本当にこいつなんなんだっ…
「おい…襲うぞっ……」
乱暴に、でも起こさないように小声でそういうがもちろん桜は起きる素振りすら見せない。
「っ……─────」
夜は肌晒してすぐに寝るわ…
時間のない時に限って、引き止めて誘うような素振りみせるわ……
んで、こっちが予定を変えて早めに帰ってきたら、人の服抱き締めてスヤスヤ寝やがって……っ。
試されているようにしか思えねぇ。
でも、幸せそうにむにゃむにゃと眠っている桜を見ていたら、起こすなんて事はやはり出来ずに、ただただ焦らされるしかない。
はぁっ…と深く溜め息を吐いた俺は、その場から離れてリビングの机に座るとタバコに火を付けた。