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第19章 満不のへ人恋 章22第
買い物を済ませて、再び帰宅した俺は、今度はなるべく音を立てないように部屋に入った。
チラをベッドに目をやると、まだ桜が眠っている。
それに安心するやら何やら、複雑な気持ちが湧きながら、買って来た物を取り出した。
買い物にいく前にセットした米が炊けているのを確認して、ぐるりと首を回す。
タマネギやら鶏肉やらをまな板で切ったあと、フライパンを熱しながら、同時にタバコに火を付けた。
料理は昔から趣味で良くやっていたが、ここ最近はとくにちゃんとやるようになった。
それもこれも、あのネコのため。当たり前だが、自分だけでなく食わせる相手がいると、作る心情が変わってくる。
もちろん、大抵は喜ぶ顔見たさ、ではあるが………
ギュウギュウと、中にグリーンピースを忍ばせたあと、ふーと煙を吐いた。
………ガキっぽいと言われようが関係ねぇ。人の気も知らないでいつまでも眠りこけてるあいつには、これくらいの事をしたってバチはあたらねぇだろ。
仕上げの卵を焼こうと再びフライパンに火を掛けていると、んっ……という声と共にベッドがきしむ音がして、俺はフライパンを掴みながら桜の方を見た。