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第19章 満不のへ人恋 章22第



“やった! オムライス!”


と言わんばかりの顔。


そして、緩みそうになっている口元を何とか誤摩化そうとしている。



「……早く顔洗って来い。冷めんぞ」



椅子に座わりながらそういうと、桜はハッとして少し慌てて洗面所に向かった。



これだから甘やかすのをやめられない。


思ってることがあるなら口に出せばいいのに、クールを気取っている桜がおかしくて仕方がない。


バレてんだけどな。まぁ、それを伝えたら不機嫌になりそうだし、さらに扱いにくくなるだろうから言わねぇけど。


スプーンを準備していると、桜は洗面台から戻ってきて、再びジッとオムライスを見つめた。




「食べていいですか?」



タバコを揉み消していると、耐えきれないとばかりに尋ねてきた。



「おぅ」


「いただきます……」


即座に掴まれたスプーン。


グリーンピースの反応が見たくて、思わずジッと見ていると、桜は一口すくう前に、ハッと固まって俺の方を見た。


………ん? もしかしてバレたか…?



「………どした?早く食えよ」



頬杖を付きながら、バレないようになるべく素っ気なくいうと、桜は疑うような目をして、恐る恐るスプーンで卵を切っていった。



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