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第19章 満不のへ人恋 章22第


みるみると強張る桜の表情とは裏腹、俺はもう口元が緩むのを抑えられない。



「……な…んで……」



ケチャップライスの中に忍ばせたグリーンピースを見て、まるでこの世の終わりかのように、はぁ……とため息を吐いて項垂れている。


そんな大袈裟な桜をみて、俺は堪えきれずにプッと吹き出した。



「グリーンピースっ……食べられないって言いましたよねっ……」



そう言いながら、鋭い視線で俺の事を睨み付けている。


おもしれぇ……。


散々焦らされた事なんかどうでもよくなって、笑っていると、桜はさらに不機嫌になっていった。


そして、怒りから次第に、悲しみの色を見せている桜を見て、キュッと胸が狭まるを感じた。


自分に変な性癖はない…と思っていたが、もしかしたらSっ気があるのかもしれない。



「そんな落ち込むなよ」



笑いながら、そういうと桜は再び俺の事を強く睨み付けた。


そういう表情もたまんねぇんだが……


まぁ、本人は気付いてないんだろう。


もう少し仕返しにいじめてやろうかと思ったが、あんまり落ち込んでいるのを見て、もう一つの方のオムライスを差し出した。
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