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第19章 満不のへ人恋 章22第



不安が拭いきれないのか、桜は俺の差し出したオムライスをスプーンで必要以上に切って中身を見ている。


だから、大丈夫だって言ってんのに。


散々切り刻んで、グリーンピースが現れないことを確認した桜は、ようやく口にオムライスを運んだ。




「───────……」




軽く目を見開いている桜を見て、思わずニヤリと俺は笑った。


何度も作っているのに、作る度に“ 美味しいっ…!”と言わんばかりのその表情がたまんねぇ。


そんなにうまいならいくらでも作ってやる。

だから、毎日でもここに来い。


……とは言えず、俺もスプーンを掴んで自分の作ったオムライスを頬張った。



しばらくして、皿に盛ったオムライスを完食した桜は、満足そうにしながら椅子の背もたれに寄りかかった。



「……ごちそうさまでした」



「ん」



立ち上がって、自分の皿に桜の皿を重ねる。


さっさと洗って、一服して…



「私が洗います…!」


後の事に思いを馳せていたら、突然桜がそう言った。

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