この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
bloʇbnilᙠ
第3章 し隠目 章1第
何の気なしに、深く息を吸い込んだ。
懐かしい植物たちの香り。
昔から嗅いできたから、ここにいるとやっぱり落ち着く。
「拓也とは、会ってんのか?」
突然、黙りこくっていた親父に話し掛けられて、親父に視線を移した。
「いや、最近は会ってねぇ」
俺には、2つ上の拓也という兄貴がいる。
俺がそっけなく答えると、親父は、そうか。と言ってまた黙ってしまった。
兄貴か俺か、どちらかに継いで欲しいって、そう思っているんだろうか…
でも、親父からそういう話をされたことは一度も無い。
何となく、そんなことを考えながら、花を見渡した。
何か買ってくか。
丁度、店の前の花壇に何か新しいのを植えようと思っていたところだ。