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第20章 輩後 章32第
「妹ができたと思って」
そう言った瞬間に、明らかに桜の顔が曇った。
「妹なんか、いらないけど」
差し出された紅茶のカップを掴んでぽつりとそういった桜の頭に手を乗せていつものように、髪が乱れるほど撫でる。
桜から、あまり友だちの話だとか、そういう話は聞かない。
自身も、実際妹だし、年下だから扱いが分からずに戸惑うことも多いかもしれないが……
「緊張しいなのを治したい、らしい。協力してやってくれ」
「手、離してください」
「はいはい」
やってみなけりゃ相性なんか分からない。
それに、俺の勘だと意外と悪くない、と思うが。
ややむすっとしている桜を尻目に机の上のタバコの箱を掴むと、桜が間髪入れずに「吸いすぎ」と指摘してきた。
それに思わずビクッとしながら、俺はタバコから手を離して自分のアゴの髭を掻いた。