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第20章 輩後 章32第




「わたし!頑張るので……だから!迷惑かけると思いますけど」



挫けない葵が声を絞り出すと、桜は明らかに不機嫌そうな顔をした。


何が気に食わないのか、全く分からず、俺ははぁ、とため息をついた。



「教えてやれ」



不機嫌そうな顔から、苛立つ顔に変わって、そして、フッと表情を緩めて床を見ている。


よく考えれば、桜から友だちの話とかを聞いたことがない。


しかも、年下だしどういう風に対応したらいいのかが分からないだけなのかもしれない。



「まずは、椅子を下げる」



俺の言葉は無視して、葵への説明を始めた桜に、少しだけ安心した。


スタスタと奥へ行く桜に、葵は懸命に着いて行く。



「開店までに、オーダーの取り方も教えてやってくれ」



追加でお願いをするが、桜は相変わらず無反応のままだった。




「オーダー取って、店長に伝えて」


「…は…はいっ」


「そして店長が作ったやつ運んで」


「…はっ…はい…」


「基本それだけ」


「ありがとうございます!」



聞こえてきた葵と桜のやりとりに思わずまたため息が出る。
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