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第20章 輩後 章32第

あいも変わらずムスっとした状態の桜を横目で見る。



「まだいんのか、あいつは」



妬く価値もないとか言いながら、バリバリ妬いてるやつの発言をしてる自分が馬鹿らしい。

気にしてるのがバレバレ…だ。



「て、いうかあいつ出禁にしたつもりだったんだがな」


「店長が軽く言ったところでそんなの効力ないでしょ」


「んー……まぁ…」


全く気にしてません、て様子の桜に少し安心しながら、自分を律する。

やっぱ、ここは大人になるべき、だ。



「まぁ、金落とすってんなら許すけどな。1.2杯でずっと居座られたら俺は追い出すぞ」



半分大人に、半分ガキみたいな返答しか出来なかった自分に後悔していた。


結局は……あの毒々しいやつを桜に近付けたくないのが本当のところだ。



「お前もあんま相手にすんな? あいつもそれで調子乗るから」



こんな風に見せて、桜は意外と純粋だし、隙がある。



「別に相手に…してない」


「ならそれでいい。うし、これよろしく」



そう言って酒を差し出すと、桜はより一層ムスッとした顔をした。


ほんと……訳の分からないやつだ。


付き合ってからの方が余計に複雑になっているような気すらする。
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