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第20章 輩後 章32第


「どうかしたか…?」


「大変!帰らないとっ……!」



そういえば、葵は電車でここまで通ってるってことを言っていた気がする。


終電とか気にしてやらなきゃいけなかったな。



「悪いな、引き止めて」


「そんな! 私がうだうだ言ってここに残ってただけで…。あの!紅茶、ごちそうさまでした!」



ペコリと頭を下げた葵は荷物を掴む。



「今日は……本当にごめんなさい!!! 私頑張るので…明日もどうぞよろしくお願いします!!」


「……おぅ」



葵の勢いに気圧されたせいで、思わず返事が遅れると、葵は再び腕時計を見ながら店を駆け出していった。


店の中で1人。


灰皿にタバコの灰を落として、ふぅーーと息を吐く。


そしてスマホを取り出してLINEで桜とのトーク画面を開いた。


こういう時は……なんて声を掛けたらいいんだ…?


ここ数日のLINEをなんと無く遡るが、お互い業務連絡ばっかだし「はい」とか「うん」とか淡白なものばっかだ。


こんな俺たちだ、今さらLINEで何かをやりとりしたところでこじれるだけな気がしてならない。


なら…電話か……?


通話のボタンを押そうとしてとどまる。


そして、フロアに散らばったりガラスの破片をみた。


……もう少し様子見てから考える、か。





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